あのHardwellも絶賛!Schwabe DigitalのOrange Clipを解説します


GOLD CLIPは100万円を超えるLAVRYのADコンバーターを模して作られたのに対し、ORANGE CLIPは伝説のDAWに触発された新しいクリッパーです。
どちらもHardwellが絶賛していて、多数の有名アーティストが使用しているプラグインです。

大人の事情で公式に名前は出せませんが、ORANGE CLIPはFL Studio Fruity Soft Clipper🥕を音の三要素である「音量、時間、倍音」を数学的に完璧にエミュレートしたとのことです。

FL Studio Fruity Soft Clipperのデフォルト設定と完全に同じ挙動をする設定を大公開してます!
私だから載せられる情報です。

是非読み進めてみてくださいね!



詳細サイト
Schwabe Digital ORANGE CLIP
一部サポートリンクを含みます。



GOLD CLIPに関してはこちらをご覧ください⇩








Ryan SchwabeさんがORANG CLIPを作った理由(動画)



要約

20年以上プロデューサーたちに使れてきたFL Studioの純正プラグイン、そのトーンに通じるプラグインは今まで他にありませんでした。

かつて、ミックスをしていた時に「アーティストはそれを使って曲を作っているのに、Pro Toolsを使う自分はそれができない」というストレスがありました。

確かに、プロデューサーが使う音に近く寄り添ったサウンドに仕上げることはできていましたが、市場のあらゆるツールを使ってそれを行うのは苦痛でした。

それがORANGE CLIP誕生の理由です。


GOLD CLIPとORANGE CLIPの使い分け

GOLD CLIPは、独自のラウドネス技術「Gold」と「Alchemy」を使用したクリーンで高精度なマスタリングツールです。
これにより、非常に滑らかで大音量のマスターに仕上げることができます。
豊かで高貴で厚みのある音で、レコーディングに求められる最後の残り5%ほどに尽力します。
何千ものヒット曲で使用されている著名な黄金のマスタリングデバイスをエミュレートしていて、その独特なダイナミックプロセスに先進的なオーバーサンプリング技術を組み合わせています。

ORANGE CLIPは、音楽制作用の伝説のDAWのサウンドをエミュレートしたミキシングクリッパーです。
力強くドライブさせて尖った音にしたり、僅かな使用で暖かみとキャラクターを加えることもできます。
透明な音では決してありませんが、皆に愛されるような馴染みのあるトーンです。
CPU使用量は少なく、レイテンシも0でありながら、独自の手法で低音域を強調し、中域を滑らかにし、高音域を平坦化し、心地よさを提供します。
そのため、簡単にワークフローに組み込むことができます。



ORANGE CLIPとGOLD CLIPは一緒に使うべきか

決まったルールはなく、どちらのクリッパーも独自の特徴的なサウンドを持っているので、一緒に利用してもOKです。

GOLD CLIPは、ミックス全体またはバストラックの明瞭さを維持し、聴覚上の音量、エネルギー、細部のためによく使用されます。
一方、ORANGE CLIPは、各トラックまたはバストラックでトランジェントを形作り、アグレッシブさ、キャラクターを出すために使われます。



ORANGE CLIPの使用方法について

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ORANGE CLIPの使い方についてマニュアルに記載の通り解説していきます。

ORANGEノブ(KNEE)

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ORANGE CLIPにはORANGEノブといういわゆるKNEEの設定ができるツマミがあります。
デフォルトでは-4.4dBと中くらいの設定になっていて-51.8dB (Soft) ~ 0.0dB (Hard)の間で設定ができます。
  • 中くらい
    img68
  • 大胆にダイナミクスを弄ることができます。
    少しのクリッピングと歪感のバランスを取ることができます。

  • Soft Knee
    img67
  • もしクリック感が強いキックの場合、それらを遠ざけることができます。
    また、丸みを帯びた音にできます。

  • Hard Knee
    img66
    音を明るく、アグレッシブに、時にはクランチなトーンにすることができます。


INPUTゲインの調整

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また、GOLD CLIPと同様に±12dBの範囲でゲインステージングが可能です。
デフォルトで入力と出力は同期しており、インプットの上げ下げとアウトプットは反比例で動くようになっています。(🔗がオレンジに光ります)
外して使う機会の方が多いと思います。

img41
CLIPしてる量を表示してくれるインジケーターがあるので、そちらを参考にインプットを調整するとよいです。
+3dBまでの範囲を推奨します。

img42
Ceilingの設定もついていて、インプットの段階で0.0dBFSを超えないようにします。


ORANGE CLIPの動作とWave Shaperについて

伝達関数について

screenshot.1080
横軸をインプット、縦軸をアウトプットとしています。

screenshot.1081
次にインプットを-5dBFSにしたところ、アウトプットも同じように下がりました。
信号に変化はありません。これをリニアプロセスと呼んでいます。

screenshot.1082
インプットを上げるとアウトプットはゆっくり減衰するのが分かります。
上記の図では-5dBFSのインプットを、アウトプット-9dBFSの値で出力した場合を示しています。
これがまさにWave Shaperであり、ORANGE CLIPを指しています。
波形が変わるとピークに影響が出るだけでなく、倍音が足され、トーンが増大します。

Wave Shaperについて

Wave Shaperとクリッパーは基本的に同じもので、数学的に機能します。
誰も言わないだけで、挙動的にはAmplitude Shaperの方がネーミングとしては正しいのです。

screenshot.1083
Wave Shaperのすべてが対称なわけではありませんが、ORANGE CLIPは上記の図のように位相がPos/Negで対称になっています。
片側だけ表示するプラグインが多いですが、両方表示した場合は上記のような図になることがほとんどでしょう。

ORANGE CLIPを2の図に当てはめるとこのようになります。
screenshot.1084


設定(オーバーサンプリング)について

img10

サンプリングレート(DAWのレート)

  • OFF
    0x (44.1kHz & 48kHz sessions), 0x (88.2kHz and 96kHz sessions)

  • High
    4x (44.1kHz & 48kHz sessions), 2x (88.2kHz and 96kHz sessions)

  • Pristine
    8x (44.1kHz & 48kHz sessions), 4x (88.2kHz and 96kHz sessions)

  • Extra Pristine
    16x (44.1kHz & 48kHz sessions), 8x (88.2kHz and 96kHz
    sessions)

オーバーサンプリングのタイプ(Phase)

  • リニアフェイズ
    ドライ信号を混ぜてパラレルする時に推奨

  • ミニマムフェイズ
    時には低音域の時間軸特性がこちらの方が良い場合があります。(ただしパラレル使用時は除く)
    デルタ信号を聞くときは位相が動いてるような音に聞こえますが、他のプラグインでもよくあることで全く問題ありません。


信号の流れ(設計)について

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上記の画像のような流れで処理されています。
最初にアップサンプリング(オーバーサンプリングの選択)をしてゲインを調整した後、Wave Shaperの処理を加えたものと、DRYを混ぜます。
DELAYはレイテンシーを合わせるために必要な工程です。

インプットでWave Shaperがかかり、アウトプットではゲインの処理のみであるところが特徴的です。
開発・設計をしたRyanさんいわく、オーバーサンプリング処理があるのでアウトプットを-0.5dBにすることで大抵は0dBを超えないとのこと。
出力でリミッターがないのは制作、トラックメイクなどの用途として設計されているためであり、
最終的なラウドネス処理はGOLD CLIPが担当するように作ったとのことです。


FL Studio Fruity Soft Clipperと完全一致の設定とは?

結論




検証の課程

実際にRyanさんとやり取りをし、当方で検証してみました。
まずはドラムのトラックをFL Studioに取り込み、マスターバスに最初からかかっているFruity Limiterを外し、下記設定で出力しました。(元素材も同様に32BitFです。)
screenshot.1091

続いて、当方のメインDAWのStudio One 6に取り込み、Mixtoolで位相反転し、ラウドネスメーターの動きを確認しました。
結果は当然̠「-∞」と完全に打ち消し合いました。
DAWの書き出しでデータ上の音は変わらないことが分かりました。

そして、ORANGE CLIPの挙動をデフォルト状態とオーバーサンプリングなしで比べてみました。
書き出した波形を1tickずつずらしても音は揃うことはないほど大きな差が生まれました。
つまり、「制作でオーバーサンプリングの有無を使い分けるメリットは大きい」ということですね。

検証結果
FL Studio Fruity Soft Clipperはオーバーサンプリングをしておらず、ORANGE CLIPはデフォルトの-4.4ではなく、-3.9が完全に一致していました。
screenshot.1092
screenshot.1096E


ドラムループで聞き比べ

ドラムループにかけて比較してみました。
他社との比較は別途記事を書いてありますので、そちらをご覧ください。
今回は設定による違いを分かっていただけたら嬉しいです!

Linear Phase Soft (-51.8)


Linear Phase Medium (-4.4)


Linear Phase Hard (+0.0)


Minimum Phase Soft (-51.8)


Minimum Phase Medium (-4.4)


Minimum Phase Hard (+0.0)


Phaseの違いにより、少し高音域を中心に変化があるのが分かると思います。
ORANGE(KNEE)の値による違いも明確で、Softにすれば音が丸く、Hardにすればスナップの効いた明るいトーンになるのが分かると思います。



他社との比較はこちらからどうぞ。




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