音程で周波数を指定できるEQの有用性
久しぶりのDTM Tipsです。
コンデンサの聴き比べについての記事を載せる前にミックスマスタリング上達のノウハウの一つを載せようと思いました。
さて、今回は鍵盤付きのEQや、音程で周波数を指定できるEQの有用性を紹介します。
DMG EQuilibriumは鍵盤を出すことができますし、Fabfilter Pro-Q3も例えばA4などと入力するとその周波数にポイントが移動します。
また、最近出たPlugin Boutique Scaler EQでも細かく追及できます。
音階を指定しながら周波数を決めることができます。
こちらの製品も下記URLにてレビュー書いてます。
https://mazq-music.blog.jp/archives/PluginBoutique/ScalerEQ-HarmonicEQ.html
製品詳細はこちら⇨Plugin Boutique
今回の記事では上記のようなEQで基音をカットすることでどういった音質の変化が生まれるのかを紹介しようと思います。
最後にまとめを用意してますので、時間のない方は最後まで飛ばしてもOKです。
鋭いQで効くEQとは?
個人的にDMGは鋭く効くのでQが狭いとFabfilterよりバッサリいったように感じます。単体で比較したときはFabfilterしか違いを認知できなかったので、おそらく位相の都合ではないかと想像しています。
現状SonnoxのClaroが最もシャープにかかるEQだと思います。
参考記事
MazQのEQの使い分け
各トラックのミックス自体は音色の美味しい部分を引き立たせるためにEQuickで積極的に調整しますが、バスではFabfilterを使うことが多いです。もちろん、付属のEQも十分です。
たとえば、StudioOne付属のEQはブーストはあまり好みではないのですが、カットは位相もかなり変化して好みだったりもします。
EQの音色差は後段のエフェクトで分かりやすくなります。
私はEQとディストーションを派手にかけるハードスタイルキックや、リードの処理もするので把握しやすかったです。
キーワードは"基音"
実は位相の話は今回メインではなく、倍音、もっと言うと今回のキーワードは"基音"です。詳しくは読み進めていただくと詳しく分かると思います。
音数による位相かぶり、滲みが影響しています。
一般的な認識として
ピークを削るときはQを絞ってブーストして耳につく部分をカットする
というやり方がありますよね。
そちら参考記事を用意しています。
参考記事
プロが使うEQテクニックだった?!
しかし、プロが使うEQテクニックの中に書いてないやり方がまだありました。音程で周波数を指定してカットする方法です。
以前このようなツイートをしました。
鍵盤付きのEQでカットするとき、スケール外の音階を削ったら音の旨味がなくなって、スケールの音(特にトニック、基音)を削るとスッキリしました✨
— 𝕄𝕒𝕫ℚ / 厳選セール情報とオーディオDIY (@MazQmusic) June 18, 2022
マスタリングやミックスで音程まで意識してEQイジったりするものなのでしょうか?
実はこの基音をカットする行為が非常に大切だ、と気付きました。
基音を探すにはやはり音程で指定できるEQのほうが早くて楽です。
ネットで調べれば出てくるので、その数値を入力してももちろんOKです。
しかし、他の音程のほうが良いと感じた場合に素早く聴き比べができるのは音程で周波数が指定できるEQですよね。
どうして基音をカットするのでしょうか?
それは音が集中しやすいからです。
低音がブーミーであることをMuddy Bassと英語圏の方はいいますが、まさにそれが他の帯域でも起こっているのです。
簡単な音楽理論のお話
トニック、サブドミナント、ドミナントというよく使う音階があり、その中で最も使うのがトニックになります。通常ド(C)で話すのですが、チューニングがA=440Hzが主流であるように倍音の話をするときはAのほうが楽なので、ラ(A3)で進めます。
最も音を重ねて違和感がないのがオクターブA4A2、次にドミナント(完全5度、ミ)の音になります。
音楽理論についてはこちらから⇩
この辺がうるさいなーと思ったとき上記のような基礎的な音楽理論から探ると良いと思います。
音を重ねて違和感がないから重ねやすいのです。
周波数を探す手間はプロならかなり痛手となります。そこで倍音やそれら音楽理論を基準にカットブーストを決められると作業が早くなるのではないか、とも思います。
ミックスにおいてはザックリしていていい部分もあるとは思いますが、マスタリングは非常にシビアで違いも僅かなため、迷ってしまいます。
例えば、広がりがあるけど低音は締まっててほしいとなったら
200Hz-250Hzらへんではなく、220Hz(A2)を基準にして少しブースト、110Hz(A1)を少しカットするなど、ある程度見立てを用意することができるのは大きいと思います。
ここで疑問に思った方は鋭い!
★音楽理論で遠い音階をカットするべきか
音楽理論的に遠いとされている音階をカットしたらどうなるのか?これはカットすると逆に音楽的に気持ちよくないと感じました。
音が集中していない、音色を決める倍音があるポイントであるのがその理由かと思います。
例えば、Serumでスーパーソウを作ってみると分かりやすいです。
普通に鳴らしたときと、波形の編集画面からRemove Fundamentalを選択して、Sub OSCでサイン波を別で鳴らしたときの音の違いを体感するとよく理解できると思います。
位相がズレた、滲んだ音が1本の波形で鳴ってくれるので低音が綺麗になります。
音がたくさん集まっているところにはこの滲みが起きていますが、音楽理論的に遠い音階にはそれがあまり起きていないのです。
スーパーソウの音作りについてはこちら⇩
証拠の音源は?と言われると用意するのが大変なので今回は割愛させていただきます。
まとめ
音が密集すると様々な波形が重なって位相の乱れから滲みのようなものを感じるからです。この位相の乱れは定位、音像、空間表現に大きく影響します。
キーワードになっている基音は音楽理論で言うとトニックというよく使われる音階です。
つまり、音が密集しています。
密集している音をカットするとすっきり、逆にあまり音数がない部分は物足りなかったりします。
楽器には倍音があり、ブーストすると影響があるので良い結果をもたらすように感じます。
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Scaler EQ

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